ピックアップについて
心の音を共に奏でる
ピックアップの音色は単一要素では決まりません。
・磁石材(Alnico/Ceramic)の透磁率と磁束密度
・ワイヤー線径(AWG)と絶縁皮膜特性
・巻線テンションとレイヤー構造
・コイルの分布容量
・ベースプレートの材質と渦電流特性
・ポールピース材の導磁特性
・ポッティング材の粘度・浸透深度・内部損失
これらが空間内で同時に作用します。
重要なのは単体のスペックではなく、それぞれの物性がどのように干渉し合うかです。
倍音の立ち方、アタックの鋭さ、減衰曲線の傾き。
私たちは、音を“波形”として捉え、構造的に組み上げます。
アナログ機械 × 現代解析
受け継いだ70年代製機械は微細な揺らぎを生みます。その揺らぎは単なる誤差ではなく、倍音に豊かさを与える要素でもあります。
しかし揺らぎは制御できなければ不安定になります。
そこで、・巻線テンションの可視化・抵抗値・インダクタンスの精密管理・磁束分布の測定を行い、ヴィンテージ的温度と
現代的再現性を両立させます。
アナログの揺らぎを“設計可能な範囲”に収める。これが融合点です。
これからの50年へ
私たちは、歴史を守るだけではありません。
受け継いだ技術に、検証と再設計を重ね、進化を加える。
過去の50年を礎に、次の50年を構築する。
蜜蝋ワックス由来ポッティングの再設計
一般的なポッティングはパラフィンや蜜蝋の混合比で振動を抑制します。しかしねこだまり工房では、ここを音響設計の核心と位置づけています。
蜜蝋ワックス開発で培った・材質の内部損失特性・温度依存による・結晶構造の安定性の知見を応用し、独自配合のポッティング材を設計。ポッティングは単なる“防振処理”ではありません。
・マイクロフォニック成分の制御・高域倍音の減衰調整・サスティンの伸び方の設計を同時に行う音響チューニング工程です。
処理温度、含浸時間、冷却速度。それらを変えることで、アタックの粒立ちやコンプレッション感が変化します。
“蝋漬け”ではなく、内部ダンピング設計。ここが、ねこだまり工房の独自性です。
性能に、ロマンと遊び心を添えて
目指している場所
現在、私たちは、より高度な数値検証体制を目指しています。
・周波数特性
・過渡応答
・ダイナミックレンジの可視化。
安価な測定ではなく、プロフェッショナル水準での解析。
今すぐに全てが整わなくとも、目指す基準を下げることはありません。
音を設計する以上、検証もまた設計の一部です。
私たちは、音を“なんとなく良い”で終わらせない。
構造で理解し、耳で確かめ、再び構造へ戻す。
それが、ねこだまり工房のピックアップです。
製作事例
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純銀リード線STピックアップ
初製作したピックアップなのですが、リード線を純銀線にしてみました。最初のピックアップから既に挑戦していた様です。
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ステルスピックアップJMHB
ピックガードの下に埋め込んで使用できるステルスピックアップです。JBサイズにハムバッカー仕様で制作しました。
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3層式コイルピックアップ
なんと3層構造です。7.3k~15kの3段階出力可変式というよく分からない仕様を試作してみました。演奏時に微ブースターの様に使えます。