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【製作事例】X100 #001 透明なSTピックアップ

【製作事例】X100 #001 透明なSTピックアップ

ねこだまり工房で開催中のピックアップ企画【X100】の#001の制作事例です。

X100の企画についてはこちらからご確認ください。

【開発小話】Xシリーズピックアップ100種類の製作チャレンジ【X100】 – ねこだまり工房直営オンラインストア (nekodamari.work)

#001の概要

まずは外観はこちらになります。

特徴となるのは、やはり透明なピックアップである事ですね。一般的なバルカナイズドファイバーから素材を変更しまして、透明素材で製作してみました。

透明ですから普段見えない銅線が見える仕様になっています。その為、目新しさもあるグリーンカラーの銅線を採用し、最後にラメ素材の保護糸を巻き付けて完成です。

透明素材なので、ポッティング処理行うと汚れた様な質感になってしまうので、ノーポッティングのドライ仕様となっています。

ハウリングに対しては若干不利になってしまいますが、一般的にポッティング処理を行わないものほど、ナチュラルなサウンド傾向になる事から好んで使われる方も多い仕様です。

特殊細工 銅線の非接触加工

特殊細工として、銅線の非接触加工を行っています。一般的にマグネットに対して直に銅線を巻き付けるのですが、マグネットが腐食した際の錆びなどによって内部断線が起こる事や、銅線の絶縁体が劣化し、コイルとしての機能が失われてしまう事が稀にあります。

非接触の為にスペーサーを加える事で、銅線とマグネットが直に触れない様に細工してあります。

特殊細工の解説

非接触加工のメリット解説

非接触のメリットとしては、前述の様なマグネット腐食や、銅線の経年劣化による断線破損が予防できます。

その他の細工と組み合わせる事ができるので、前提処理という細工になりますね。

STの場合は、ただそれだけという感じなのですが、有効幅にゆとりがある場合はコイル形状を変形させてサウンド傾向をコントロールできる可能性がありますので、追々の進化に期待できる細工です。

この細工、実は従来のピックアップだと搭載できない細工だったりします。

非接触加工のデメリット

非接触加工のデメリットですが、スペーサーの分、巻き線の有効幅が狭くなってしまいます。その為、巻き数として例えば「8000回巻きたいもの」が「7000回が限界」になってしまうのです。

この僅かな差が従来のピックアップだと致命傷になります。企画の記事にも記載しているのですが『可能性の幅が狭い要因』になってしまっているポイントでもあります。

人気の定番スペックのほとんどが、有効幅を限界まで使用している事がほとんどで、この非接触加工を行うと定番スペックが作れなくなるというデメリットがあります。

定番スペックを優先すると挑戦や遊び心の余地がなくなるという事ですね。

ねこだまり工房のアプローチ

ねこだまり工房ではどうしているのかというと、行っているアプローチは2通りです。

1.カバーレス仕様にしてしまい、有効幅を物理的に広げる

今回の#001は、ピックアップカバーが付いていません。そして付けれません。

何故かというと、ピックアップカバーが付いた状態の寸法でホビンを設計し、製作しています。

こうする事で、とても僅かな差にはなりますが有効幅が広くなり、スペーサーと定番スペックを共存させることができます。

2.銅線の定番を変えてしまう

企画記事にも記載しているのですが、一般的な定番スペックにはほとんど同じ銅線の線径を使用しています。その為、「有効幅の限界値」は、「今までの定番品」を基準にした表現です。

より細い線を使用してしまえば、抵抗値や巻き数に対して使用面積が抑えられますので、スペーサーとの共存に自由が利きます。

ただ、「定番かというと…」となるので好みは分かれるかと思いますが、挑戦心と遊び心を活かせる部分ですね。

余談とまとめ #001のスペック紹介

X100のスタートとなる#001は、STセットからスタートです。

抵抗値は若干高めの仕様になっていますので、アルニコ5と相まって一般的にはハイパワーというイメージになるかと思います。ハウリング耐性が懸念されますのでゴリゴリに歪ませるよりは、パワーを余裕を持ってコントロールするというプレイスタイルの方が合う様な気がします。

逆にハウリングしやすさを逆手に取った演奏技法もありますので、デメリットが一概に欠点とならないのが楽器の面白いところかもしれませんね。

X100は、こんな感じでコツコツと、#100まで進めていきます。

スペック概要は、下記の内容をご確認ください。販売ページにも同様の内容を記載いたします。

パッケージは、おまけの台座付きです。試作していた台座になりますので、正規採用は未定です。

#001スペック

対応機種 STタイプ フロント・センター・リア用 1セット
ホビン素材 透明素材 PMMA
マグネット アルニコ5 フラットポールピース
銅線 グリーンエナメル 0.050mm
リード線 クロスワイヤー
ポッティング処理 ノーポッティング(なし)
特殊細工 銅線の非接触加工
仕様 ピックアップカバーレス、センターのみRWRP(逆巻・逆着磁)
抵抗値

フロント 8.85k

センター 9.42k

リア   9.65k

付属品

スペックシート、台座、パッケージ、取付用ビス、スプリング

保証内容

通常使用における故障の場合、無償補修

その他、市販通常品に準ずる対応

注記事項

・製作におけるやむを得ない傷・スレなどがある場合があります。

・寸法は、汎用的な規格に基づいていますが販売ページ記載の寸法をご確認の上、お買い求めください。

・ピックアップは繊細なパーツで取扱に専門知識を有します。改造、取付は専門家にご依頼いただくか自己責任でお願いいたします。

・取付にあたってご相談があれば、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

・試作品につき、パッケージ・外観・裏面の刻印情報など正規販売品と仕様が異なる場合があります。

・原則1点限りとなりますが、同様のピックアップをお求めの場合セミオーダー形式で対応できる場合があります。詳しくはお問い合わせください。

販売情報

ねこだまり工房直営オンラインストアにて販売

【X100チャレンジ】Xシリーズ STset #001 1点のみ – ねこだまり工房直営オンラインストア (nekodamari.work)

販売価格:20,000円(税・送料込)

 

何かご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ – ねこだまり工房直営オンラインストア (nekodamari.work)

ねこだまり工房株式会社

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